病理部は現在のところ、常勤医師1名、代務医師5名(うち専門医4名)で診断にあたっています。代務医師は名古屋大学、愛知医科大学、藤田保健衛生大学から派遣いただいています。当院は総合病院という性格ゆえにとりたてて専門分野ということはありません。しかし今日においては臨床の依頼は詳細かつ多岐にわたるので、専門性の高い病理診断を要求される分野においては各分野の専門病理医と連絡をとり迅速で正確な診断に努めています。
悪性リンパ腫などの血液腫瘍では名古屋大学の加留部教授、乳癌では正診会クリニックに標本を送って診断をいただいています。小児の腎生検と腎臓移植の腎生検は名古屋第二赤十字病院で、成人の腎生検は名古屋大学腎臓内科グループで特殊染色を行っていただき専門性の高い診断をいただいております。難解な症例では専門診断をいただくまでには少しお時間をいただく事があります。
また診断病理学の発展により、形態診断のみならず免疫組織化学染色やFISH、フローサイトメトリー、遺伝子解析などが特定の診断名と直接に結びつくことも当たり前となりました。免疫染色IHCは院内の自動免疫染色機で行っていますが、フローサイトメトリーやFISH、電子顕微鏡検査などの院内で施行できない検査については民間の検査センターに委託しています。特定の蛋白質の発現や遺伝子異常の有無が、診断はもちろん特定の薬剤の感受性と強く相関している事実が明らかになりました。
たった一滴の血液から病変部の遺伝子異常までわかるようになりつつあります。昭和のSF小説に描かれていた未来が想像するよりもずっと早く現実の世界になりました。生検された大切な検体について診断はもちろんのこと、最大限に有用な取り扱いに努めています。
奈良 佳治
なら よしはる
役職
所属学会・
資格
専門分野
組織診断 | 7,039件 |
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コンパニオン・遺伝子診断他 | 883件 |
細胞診断 | 5,246件 |
術中迅速診断 | 409件 |
病理解剖 | 8件 |