呼吸器内科

診療方針

 呼吸器内科で扱う疾患は、腫瘍、感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、間質性肺炎など多岐にわたり、当院ではその呼吸器疾患全般の診療を行っております。
 治療については、保険診療の範囲内で患者さんの状態や症状に合わせて、エビデンスに基づいた最善の治療を行えるように日々努力しています。また、地域の基幹病院として、地域の医療機関と連携して患者さんに安心して受けていただけるような医療が提供できるように心がけています。

主な疾患・診療内容

肺炎

 肺炎は頻度が高く、また他の疾患の合併症として発症することも多く、高齢化社会の中で死因の上位を占めています。治療としては、ガイドラインに沿って適正な抗菌薬治療と、高齢者の方など誤嚥のリスクがある方では、嚥下評価、訓練なども行っています。呼吸器内科のみで対応することは困難なため、中等症以下の肺炎は総合内科に診療を依頼しています。

肺癌

 手術可能な肺癌は、外来での生検を含めた精査後、迅速に呼吸器外科へ引き継いでいます。手術不能な肺癌については最新のエビデンスに基づき、QOLの維持も考え化学療法を主体に、適応があれば放射線療法の併用を行っています。また、肺癌術後の化学療法についても、エビデンスに基づき内服もしくは点滴による化学療法を行っています。

気管支喘息

 外来では、吸入ステロイドを基本とした治療を行い、重積発作では入院で点滴を主体とした治療を行っています。吸入薬や内服でコントロールできない場合には、抗体製剤の注射による治療も行っています。

COPD

 在宅酸素療法中の重症患者が多く、急性憎悪に対して、必要に応じて非侵襲的人工呼吸(NPPV)を使用して治療を行っています。在宅でNPPVや人工呼吸器を使用することもあります。

肺結核

 喀痰検査にて排菌のない方については、内服治療を導入し外来で治療を行っています。当院には結核病床がないため、排菌のある肺結核(喀痰塗抹陽性)の方は、結核病棟のある病院に紹介させていただいています。

自然気胸

 自然気胸は初発例では原則として手術は行わず、胸腔ドレナージを基本としています。胸腔ドレナージで改善しない場合や再発例で手術を行っています。

その他

 気管支鏡検査では、極細径気管支鏡や超音波気管支鏡(縦隔リンパ節病変に対する超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)や末梢の結節性病変に対するガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS法))など最新の機器を導入して検査を行っています。局所麻酔下胸腔鏡も行っています。
 禁煙外来は実施しておりません。

施設認定

  • 日本呼吸器学会
  • 日本呼吸器内視鏡学会
  • 日本アレルギー学会
  • がん治療認定機構

医療設備

マルチスライスCT、MRI、DSA、NdYAGレーザー、APC、リニアック、ポリソムノグラフィー、気管支鏡(電子スコープ、ファイバースコープ、極細径気管支鏡、超音波気管支鏡)、局所麻酔下胸腔鏡

医師紹介

山下 良

やました りょう

役職

部長

所属学会・
資格

  • 日本内科学会認定医・総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会専門医・指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本アレルギー学会専門医
  • 日本医師会認定産業医

専門分野

呼吸器

宮崎 晋一

みやざき しんいち

役職

副部長

所属学会・
資格

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会専門医・指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本アレルギー学会専門医
  • 日本医師会認定産業医

専門分野

呼吸器

井上 正英

いのうえ まさひで

役職

副部長

所属学会・
資格

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会専門医

専門分野

呼吸器

米田 一樹

こめだ かずき

役職

副部長

所属学会・
資格

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医

専門分野

呼吸器

久野 泰雅

くの やすまさ

役職

医長

所属学会・
資格

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会専門医

専門分野

呼吸器

外来診察予定表

外来診察予定表

月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
午前 宮崎
山下
井上
久野
山下
米田
宮崎
久野
井上
米田
池田
午後 井上
米田

診察日:月~金 8:30~16:30
受付時間:月~金 8:30~11:30
※紹介状が必要です。

診療実績

令和6年度

のべ入院患者数 合計648人
疾患 のべ入院患者数
原発性肺癌 217例
胸腺腫瘍 1例
肺炎 94例
気管支炎・胸膜炎 6例
肺結核 8例
気胸 45例
気管支喘息 22例
COPD 26例
間質性肺炎 72例
COVID19 26例
その他疾患 131例
気管支鏡総件数 181件
疾患 患者数
中枢気道病変 11例
肺門縦隔リンパ節病変 8例
 内、EBUS-TBNA(超音波気管支鏡下針生検) 8例
末梢孤立性病変 98件
 内、TBLB(経気管支肺生検) 9件
 内、EBUS-GS(気管支超音波ガイドシース法)併用 89件
びまん性肺疾患(BAL、TBLB) 20件
その他 0件
 内、観察または気管支洗浄のみ 44件
 内、EWS、ステント、air注入 3件
局所麻酔下胸腔鏡件数 4件

 のべ入院患者数は、2024年度は648例であった。例年通り肺癌がのべ217例と多い。肺炎などの感染症は主に重症例のみ呼吸器内科で診療しているが、今年度は94例の入院があった。新型コロナウイルス肺炎が減少した分、その他の細菌、ウイルスによる気道感染を契機としたCOPDや間質性肺炎の増悪、喘息発作がさらに増加していた。
 気管支鏡検査は181件である。超音波内視鏡による針生検(EBUS-TBNA)や超音波を併用したガイドシース法(EBUS-GS)、気管支ナビゲーションシステムを駆使し、検査精度も維持ができている。
 局所麻酔下胸腔鏡は、年間4例と例年に比し少なかったが、引き続き診断困難な胸水症例に対し積極的に施行していく方針である。