人口83万人を抱える北勢地区の基幹病院の一つとして、腎臓疾患についても中心的役割を担っています。看護師・臨床工学技士・管理栄養士・ソーシャルワーカー と連携協力した総合的医療による、バランスのとれた腎疾患の診断、治療、管理を行っています。ICUでの急性血液浄化療法をはじめとした急性期の治療だけでなく、慢性腎臓病(CKD)に対する腎臓病教室の他、個別栄養指導、調理実習を積極的に実施し、患者さんの自己管理指導・教育にも力を入れています。
腎不全、慢性糸球体腎炎・ネフローゼ症候群を筆頭に、糖尿病並びに糖尿病性腎症、高血圧および腎硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)を中心とした膠原病、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連腎炎をはじめとする血管炎、多発性嚢胞腎など遺伝性腎疾患など多疾患にわたる診療を行っています。
必要な場合には腎生検を実施し組織学的診断にもとづき治療方針を決定しています。IgA腎症ネフローゼ症候群・SLE・ANCA関連腎炎(顕微鏡的多発血管炎)などに対して、ステロイドパルス療法、免疫抑制剤を用いた治療のほか、血漿交換、吸着療法等を実施しています。
多発性嚢胞腎についてはトルバプタン(サムスカ®)による治療にも取り組んでいます。適応については当科で慎重に判断していきます。また、治療開始の際には2泊3日の入院が必要です。
慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症や慢性腎不全など慢性腎臓病(CKD)に関しては、継続した治療・指導を実践し、外来・入院を通じての一貫した患者教育、生活指導、食事指導、調理実習を行っています。
当院では腎不全が進行した患者さんに、腎代替療法選択外来を受診していただいております。腎代替療法選択外来では、精通した看護師により、血液透析、腹膜透析、腎移植の説明を行い、それぞれの患者さんの希望に沿いながら、最も適した治療法を決定していきます。
当院のベッド数は23床で、そのうち14床ではオンライン血液透析濾過(β2ミクログロブリンなどの大きめの分子を除去することができる治療法)にも対応しています。血液透析を継続していくためには、腕に透析用の血管(シャント)の作製手術が必要ですが、その作製や修復(再手術、経皮的血管形成術(バルーン拡張:PTA))も、必要時は血管外科とも協力の上、対応しています。
シャント未作製の状況で血液透析が必要となった場合には、太い静脈(右の首が多いです)にカテーテルと呼ばれる管を挿入して血液透析を行う場合もあります。また、長期に渡りカテーテルを留置することが想定される場合にはカフ付きカテーテルと呼ばれる管を挿入することも可能です。
腹部にチューブを挿入する手術が必要となります(当院外科または他院での施行となります)。腹膜透析は一般的に1日3回~4回の腹膜透析液交換が必要となりますが、それぞれの患者さんの生活スタイルに合わせて腹膜透析のスケジュールを決めていきます。機械でチューブと液をつなぐやり方と機械を使わずに手動でつなぐやり方と、実際に見比べて選択していただくことが可能です。ご希望があれば夜間眠っている間に腹膜透析を行う方法も選択が可能です(病状によって不可能なこともあります)。
当院外科と連携して行っています。献腎移植(臓器提供意思のある方が亡くなったときに腎臓の提供を受けること)の登録も行っています。腎代替療法を施行中の患者さんが他科の疾患で入院になった場合には、当科と連携の上、治療を進めていきます。
各種血液浄化療法(血液透析、血液透析濾過、血漿交換、LDL吸着療法、免疫吸着療法、白血球除去療法、ポリミキシン吸着療法(PMX)、直接血液吸着療法(DHP))
坪井 俊樹
つぼい としき
役職
所属学会・
資格
中瀬 裕貴子
なかせ ゆきこ
役職
所属学会・
資格
村上 敬祐
むらかみ けいすけ
役職
所属学会・
資格
専門分野
松岡 大樹
まつおか ひろき
役職
所属学会・
資格
専門分野
横家 一世
よこや いっせい
役職
月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | |
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午前 | 村上 大学医師 |
坪井 大学医師 |
松岡 村上 |
横家 大学医師 |
坪井 松岡 |
午後 |
月~金:午前 8:30~12:00(受付 11:30まで)
月~金:午後13:30~15:30(予約のみ)
月・水・木・金:午後(予約のみ)
月・水・金:朝・夜
火・木・土:朝
腎生検 | 32例 |
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血液透析導入患者数 | 57名 |
腹膜透析患者数 | 31名 |
新規腹膜透析導入患者 | 7例 |
腎移植 | 1例 |
シャント手術 | 83例 |
シャントPTA | 11例 |