はじめに

当院は三重県北勢地域における三次救急を担う基幹病院として、救命救急センター(ER-YOKKAICHI)を擁しています。年間約8,000件以上の救急搬送(2022年度診療実績より)を受け入れており、救急医だけでなく、各科専門医と連携して日夜救急患者さんの診療に当たっています。
このページでは当院の救急医療における様々な取り組みを紹介します。

これまでの主な取組み

設備と技術

患者さんが安心して最善の医療が受けられる救急医療が提供できるように、設備面・技術面の充実に力を入れています。2016年に、ERに隣接した救急入院病棟を整備し、夜間の緊急入院にも対応しています。

図1 救急病棟

救急病棟

図2 MRI装置

MRI装置

図3 CT装置

CT装置

救急ワークステーションの受け入れ

図4 救急救命士とER医師

救急救命士とER医師

2014年4月から、四日市消防本部の救急救命士3名ずつを平日日勤帯に受け入れて、院内研修(技能実習・症例検討など)の指導を行っています。
2015年3月からは、低血糖症やショック状態の患者に対し、医師の指示下での点滴処置やブドウ糖の投与が許可されたこともあり、院内での技術研鑚の重要性が増しています。救急救命士への教育と信頼に基づく協働は、質の高い地域の救急医療を支えるために、欠かせないものとなっています。

臨床研修

指導の様子

指導の様子

ERでの診療は、臨床研修医にとって重要な教育の場でもあります。救急担当医の指導のもと、研修医が交代で研鑽しています。ERで経験した重要症例の検討会や各科専門医による勉強会も定期的に行っています。
また、心肺蘇生や外傷など救急医療に関する講習会を院内で開催したり、外部へ講師として参加したりすることで、教育による地域の救急医療水準の底上げにも積極的に取り組んでおります。

RRS活動

RRS(院内迅速対応システム)とはRapid Response Systemの略称で、多くの「急変」には前兆があるという点に着目した院内対応システムです。当院では2022年度から専門のチームであるRRT(Rapid Response Team)を組織し、病棟で全身状態が悪化するリスクのある患者さんに対して、いち早く発見して介入を行う活動をしています。

災害拠点病院

当院は、三重県から災害拠点病院に指定されており、県内や近県で災害が発生し、通常の医療体制では被災者に対する適切な医療を確保することが困難な状況となった場合には傷病者の受け入れや医療救護班の派遣等を行う役割を担っています。
院内では定期的に災害発生を想定した訓練も実施し、初動対応の確認及び傷病者受入に必要な知識・技能の維持・向上を図っています

大規模災害を想定した災害訓練の様子

災害訓練の様子
災害訓練の様子
災害訓練の様子

災害派遣医療チーム「DMAT」

図7 DMAT隊員

DMAT隊員

DMATは「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されており、災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance Team の頭文字をとって略して「DMAT(ディーマット)」と呼ばれています。
当院も災害拠点病院として、医師・看護師・薬剤師・放射線技師・事務職員などの多職種から構成されるDMATを組織しています。

この他にも、様々な取り組みを通して、当院は「三重北勢医療圏のセーフティネット」としての役割を担っていきたいと考えています。