整形外科は乳幼児から高齢者まであらゆる年齢層の運動器疾患の診断から治療、リハビリテーション、予防医療までを包括的に行う診療科です。対象疾患は四肢関節・脊椎の外傷や変性疾患、先天性疾患、骨軟部腫瘍、骨粗鬆症、関節リウマチ、感染症など多岐にわたり、現在9名の常勤医師と名古屋大学、愛知医科大学より派遣された5名の各分野の専門医師で診療にあたっています。
手術件数は年間1700件を超え、北勢地域の基幹病院としての役割を果たすため、救急救命センター(ER-Yokkaichi)のもと、多発外傷や重症疾患、四肢切断にも24時間体制で対応しています。また、地域連携パスや紹介・逆紹介制度を利用し、他の病院の先生方や開業医の先生方とも連携した治療を行えるよう心掛けています。
四肢関節の骨折・脱臼、筋・腱・靭帯損傷、神経・血管損傷などの治療を行っています。年齢や骨折形態、合併損傷を考慮し、早期リハビリテーションによる機能回復・社会復帰を目指して適切な治療法を選択しています。高齢者に多い大腿骨近位部骨折では早期(受傷後72時間以内)に骨接合術や人工骨頭挿入術を行い、リハビリテーションの早期開始による廃用や肺炎等の内科的合併症の予防に努めるとともに、地域連携パスでのリハビリテーション転院を経て家庭復帰を促しています。当院の特徴として、一般的な外傷治療に加えてより高度な損傷にも対応しています。四肢の重症解放骨折に対しては、手外科医によるマイクロサージャリー(顕微鏡下手術)を用いた軟部組織の修復と、四肢外傷外科医による内固定術により早期の運動機能の回復に努めています。さらに骨盤・寛骨臼骨折といった重症外傷にも内固定術による運動機能再建を行っています。
当院には現在3名の手外科専門医が在籍しています。上肢の外傷や変性疾患などに対し手外科医による専門的な治療を行っています。四肢切断や高度な挫滅損傷ではマイクロサージャリーを用いた再接着術、組織移植による再建術を行っています。保存療法の無効な変形性関節症には関節固定術や関節形成術、人工関節置換術を行っています。陳旧性腱断裂や末梢神経損傷による運動麻痺に対しては、腱移行などによる運動機能再建も行っています。また手根管症候群などの絞扼性末梢神経障害や、ばね指(屈筋腱腱鞘炎)、デュピュイトラン拘縮といった中高年に多い疾患に対する手術治療も行っています。さらに、より低侵襲な治療を目指して関節鏡を用いた手関節・肘関節障害の治療も行っています。手指のリハビリに精通した作業療法士(ハンドセラピスト)と共に治療にあたっています。
変形性股関節症、特発性大腿骨頭壊死症、関節リウマチによる股関節障害に対する治療を行っています。投薬などの保存的治療を行い、進行例に対しては人工股関節置換術を行っています。手術は事前に3Dシミュレーションを用いて計画を立て、各患者に適したインプラントを選択します。さらに、手術時にはコンピュータ支援ナビゲーションシステムを活用し、精度の高い手術を目指しています。手術アプローチは変形の程度や特性に応じて、前方アプローチか後方アプローチを選択しています。また、若年者では自身の関節温存を重視して骨切り術を検討しています。
変形性関節症や関節リウマチによる関節障害に対して装具、投薬などの保存的治療を行い、進行例に対しては人工関節置換術による関節機能再建を行っています。スポーツ障害による靱帯や半月板、関節軟骨損傷に対しては低侵襲な関節鏡視下手術を行っています。名古屋大学医師による専門外来があります。
頚椎症性脊髄症・神経根症、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、靱帯骨化症、脊椎圧迫骨折などの治療を行っています。各種画像検査を用いて精査し、装具、投薬、ブロック注射などの保存的治療を行います。効果が不十分な場合には椎弓形成術、椎弓切除術、椎体固定術などの手術治療を行っています。名古屋大学医師による専門外来があります。
採血やレントゲン、超音波などによる検査を行い治療にあたっています。副作用に注意しながら内服薬や生物学的製剤を用いた薬物治療を行います。関節破壊の進行した症例では人工関節置換術、関節形成術、関節固定術などを行うことがあります。大学医師による専門外来があります。
四肢や体幹に生じた骨軟部腫瘍を扱います。何らかの症状を呈する場合や、他の目的の検査で偶然に発見される場合があります。各種画像検査、針生検、切除生検などを行います。悪性腫瘍が疑われる場合には大学病院やがんセンターなどの専門施設へ紹介します。
乳幼児や小児の先天性疾患に対して主に保存的治療を行っています。発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)は3か月健診での発見に務め、診断がついた時点から装具治療を行います。入院や手術が必要な難治症例や骨系統疾患では大学病院などの専門施設と連携し、四肢先天奇形については当院でも手術治療を行っています。名古屋大学医師による専門外来があります。
大学医師による専門外来は常勤医師の初診を受けていただいてからの予約制になります。
(手術希望の方のみの外来もあります。)
奥井 伸幸
おくい のぶゆき
役職
所属学会・
資格
専門分野
中野 智則
なかの とものり
役職
所属学会・
資格
専門分野
川本 祐也
かわもと ひろや
役職
所属学会・
資格
専門分野
岡本 昌典
おかもと まさのり
役職
所属学会・
資格
専門分野
浅見 雄太
あさみ ゆうた
役職
所属学会・
資格
専門分野
島本 祐哉
しまもと ゆうや
役職
所属学会・
資格
専門分野
登 達哉
のぼり たつや
役職
所属学会・
資格
専門分野
上野 浩輝
うえの ひろき
役職
所属学会・
資格
専門分野
石川 諒
いしかわ りょう
役職
専門分野
松下 雅樹
まつした まさき
役職
専門分野
山内 一平
やまうち いっぺい
役職
専門分野
大橋 禎史
おおはし よしふみ
役職
専門分野
坂口 健史
さかぐち たけふみ
役職
専門分野
月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | |
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午前 | 中野(初診) 奥井(予約)※1 島本(初診) リウマチ(再診) 上野(初診) |
奥井(手外)※1 川本(予約) 石川(初診) 登(初診) |
脊椎(予約) 中野(予約) 浅見(初診) 岡本(予約) 魚見(初診) |
石川(予約) 岡本(初診) 浅見(予約) 島本(予約) 登(初診) |
川本(初診) 小児整形(第3週目)※2 |
午後 | 藤戸(第3週目) | 膝肩外来(第1,3週目) |
診察日 | 受付時間 | |
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一般整形 外来 | 月曜~金曜 | 8:30~11:30 |
リウマチ外来 | 毎週月曜 | 8:30~11:30 |
脊椎外来 | 毎週水曜 | 8:30~11:30 |
乳児健診 | 毎週金曜 | 8:30~11:30 |
小児整形外来 | 第3金曜 | 8:30~11:30 |
膝・肩関節外来 | 火曜不定期 | 13:30~16:00 |
※1奥井医師は再診・病診連携による予約のみとなります。
※2乳児3か月の股関節脱臼の検診は、毎週金曜日(予約はお取りしておりません)です。乳児検診が優先となります。
骨折手術 | 上肢 | 342 |
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下肢 | 265 | |
(うち大腿骨近位部骨折) | 133 | |
骨盤 | 7 | |
一期的創外固定術 | 25 | |
骨内異物除去術 | 148 | |
その他 | 73 |
手根管開放術 |
74 |
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肘部管手術(神経移行術) | 15 |
神経関連手術 | 31 |
腱鞘切開術 | 96 |
腱関連手術 | 60 |
デュピュイトラン手術 | 7 |
再接着術 | 9 |
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皮弁術・組織移植術 | 28 |
血管吻合術 | 6 |
人工股関節置換術(THA) | 78 |
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人工膝関節置換術(TKA) | 12 |
人工骨頭挿入術(股関節) | 72 |
人工肩関節置換術 | 2 |
関節鏡視下手術 | 19 |
関節滑膜切除術 | 20 |
関節脱臼手術 | 25 |
靱帯縫合術 | 29 |
その他 | 32 |
椎弓形成術・椎弓切除術 | 25 |
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椎体固定術 | 11 |
半月板摘出術 | 2 |
軟部腫瘍切除術 | 28 |
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ガングリオン摘出術 | 14 |
骨腫瘍手術 | 7 |
植皮術 | 16 |
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四肢切断術 | 28 |
断端形成術 | 34 |
アキレス腱縫合術 | 7 |
小児先天異常 | 6 |
その他 | 131 |
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合計 | 1,784 |
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