爲西医師
心臓病などの心疾患は、我が国における主要な死亡原因の一つであり、厚生労働省の推計によると令和4年度には年間23万人以上の方が亡くなっています。※
中でも、大動脈疾患は放置すると突然死にも繋がる危険な病気であり、早期発見が重要となります。
大動脈疾患の治療を専門にしている心臓血管外科:爲西 顕則医師に話を聞きました。
※厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei22/index.html
狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患、弁膜症疾患、大動脈疾患、不整脈などに対するペースメーカー治療および末梢血管治療など、後天性の心臓血管疾患全般に外科治療を行っています。
大きく真性大動脈瘤と大動脈解離に分けられます。大動脈瘤は動脈硬化などで血管が脆弱になり、放置すると拡大破裂して致命的になる可能性があります。大動脈解離は突然血管壁が裂けていく病気で、主に高血圧の既往がある方に多いです。特にA型大動脈解離は放置すれば、高率に致死的状況に陥るので緊急手術が必要な場合が多いです。
市立四日市病院では、外科治療として開胸での人工血管置換術とステントグラフト内挿術があります。それぞれの治療法の特色を生かして、患者さんに応じた術式で治療を行っています。治療法はかなり確立されており、比較的高齢な患者さんも安全に治療が受けられるようになりました。
心臓や大動脈の手術は危険率が高く怖いというイメージが強いと思いますが、最近は術式が確立され、低侵襲手術も導入されており、かなり安全な治療になってきています。適切な時期に治療を受けていただければ、結果も良いことが多いです。先延ばしにして手術時期を失うと、不安定な状態での手術になってしまいますので、結果も思わしくないようになってしまいます。迷われている場合でも、外科治療の話だけでも聞きに受診して来てください。