心房細動について

水谷医師

水谷医師

心房細動は誰にでも起こりうる病気であり、合併症を伴う可能性も指摘されています。

市立四日市病院で心房細動の治療に取り組んでいる循環器内科:水谷 吉晶医師に話を聞きました。

不整脈が脳梗塞のきっかけに?心房細動という病気について教えてください。

心臓の脈拍が乱れて遅くなったり、早くなったりする状態を不整脈といいます。
その中でも最もなりやすい心房細動という病気には注意が必要です。不規則に動く心臓の中で作られた血栓が、脳の血管に流れていってしまうことで、深刻な脳梗塞を引き起こすことがあります。また、心房細動は脳梗塞だけではなく、心臓そのものが弱まってしまう心不全、介護の原因となる認知症を引き起こしてしまうとも言われています。

どのような方が心房細動にかかってしまうのでしょうか

誰にでも起こりえる疾患です。加齢に伴って起こりやすくなるといわれていますが、働き盛りの若年の方にも起こり得る不整脈です。高血圧、肥満、飲酒など生活習慣とも関係があります。
現在日本では100万人以上の方が発症されているといわれています。

症状がないこともありますか?自分でチェックできますか?

自覚症状のある方とない方がいらっしゃいます。自覚症状のない方が約40%もいらっしゃいまして、そういった方は治療が遅れることがあるので注意が必要です。
自分の手首で脈をとると通常は規則正しく脈拍を感じるはずです。これが乱れていれば何らかの不整脈の可能性があります。そのような方は、かかりつけ医や循環器内科を受診ください。しかし、なかなかご自身で脈をとることは難しいので、血圧計やスマートウォッチを利用してもよいでしょう。定期的な健康診断を受けることも大切ですね。

心房細動の治療法はあるのでしょうか?

薬物による治療、カテーテルによる治療があります。血液を固まりにくくするお薬(抗凝固薬)で脳梗塞を予防することも重要です。薬物療法は基本的に継続する必要がありますので、副作用が懸念されます。また、効果が乏しいことがデメリットですね。
一方、カテーテルによる治療は「アブレーション」と呼ばれています。アブレーションは一般的な外科手術とは異なり切開しないことが特長です。カテーテルという細い管を血管から心臓の中に挿入し、心房細動の原因となる部分を焼灼あるいは冷却して根治していきます。発症して1年以内であれば、1回の手術で約80-90%程度の根治が可能です。手術時間は1-2時間程度、2-3泊程度の入院期間が必要です。退院後はすぐに仕事に復帰することもできます。

市立四日市病院では、患者様に合わせた治療を行なっております。

最後に患者さんにメッセージをお願いします。

誰でも心房細動になる可能性があります。心房細動は早く発見することにより、より治療がしやすくなります。ご不安な場合はかかりつけ医に相談しましょう。

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