
2025 年 4 月 1 日より四日市市病院事業管理者を拝 命し、同時に市立四日市病院院長も兼任することにな りました蜂須賀丈博です。個人的な話になりますが、 私が当院に赴任したのは 1993 年 1 月 1 日で、今年で 33 年目となります。自分自身の医師としての大半を 過ごし、お世話になった当院及び当地域の皆さんへの 感謝の気持ちを込め、病院の改善に努めるとともに、 三重県北勢地区の医療の質向上のため全力を挙げてい きたいと考えています。 最初に当院の特徴について整理してお話しします。 当院は、北勢地区最大の基幹病院であり、3次救命救 急センター、総合周産期母子医療センター、地域がん 診療連携拠点病院、災害拠点病院、地域医療支援病院 などの指定を受けています。また、医学教育の面では、 初期研修において医科 15 名、歯科 1 名を受け入れて います。専門医研修においては、内科、外科、麻酔科、 整形外科の基幹病院であり、その他の科の多くは名古 屋大学、三重大学、名古屋市立大学の連携施設として 若手医師の専門研修指導を行っています。施設面では、 スーパー ICU、HCU、MFICU、NICU、救命救急センター(ER)、 高精度放射線治療施設などを備えています。特に、スー パー ICU は、完全な麻酔科医による管理が 2024 年度 より達成されており、質の高い医療が可能であると同 時に、専門科医師の負担軽減に寄与しています。以上 のように、施設面、人材面においても以前に比して非 常に充実してきています。現在この体制を 24 時間 365 日キープし、皆さんの健康を守り、安心を届ける ため、1000 名以上のスタッフが日夜業務に励んでい ます。 ところで、皆さんは深夜何人のスタッフが当院を 守っているかご存じでしょうか。深夜勤務の医師は ER をはじめ計 9 名、看護師は病棟に 60 名以上と ER に数名、ほかに薬剤師、放射線技師、臨床工学士各 1 名がおり、準夜勤務も含めると優に 100 名超のスタッ フが勤務しています。また、各診療科に最低 1 名ずつ の医師が自宅待機で緊急対応に備えています。このよ うな形で、いかなる緊急事態にも対応できる体制を整 えていますが、同時に職員の健康を守るような勤務体 制の確立も重要です。労務管理に問題がないようにと、 近年働き方改革が叫ばれていますが、当院ではいち早 く夜間当直から夜間勤務への切り替えを行い、夜間勤 務翌日はほぼ休日とする体制となっています。 一方、病院の経営状態は周知のとおり決して満足で きるものではありません。特に 2024 年の診療報酬改
四日市市病院事業管理者 . 院長 蜂須賀 丈博
正は非常に厳しいものであり、給与改正や物価上昇が 重なり公立病院のほとんどが赤字となっている現状が あります。しかしながら、われわれは立ち止まること は許されません。そのために、病院スタッフの負担軽 減のための医療 DX 推進は必須と考えています。特に 最近進歩の目覚ましい医療生成 AI は、今年度導入に 向けて全力で進めているところです。導入後には、煩 雑な書類作成が半分以下の手間で行えるようになるは ずです。 当院が現在の施設に移転し 60 年を迎える 2039 年春 に向けて、新病院の建築計画がスタートしています。 膨大な費用がかかりますが、救急医療の最後の砦とし ての当院の価値は不変であり、必ず成功させなければ ならない数十年に一度のビッグプロジェクトです。 ハード面の議論は私の責任において着実に進めさせて いただきますが、その際に最高の医療を提供するソフ ト面を担うのは病院職員一人ひとりであり、職員一同 目標に向かって、どこにも負けない質の高い医療を磨 き上げていく所存です。 病気はいつ発症するか、誰にもわかりません。老年 期に発症する脳卒中や心筋梗塞、悪性腫瘍はだれもが 知る疾患ですが、頻度は少なくとも致死的になる疾患 は無数に存在します。また、小児の急性期疾患や出産 に伴い母子が危険にさらされる状況は日常茶飯事で す。健康で若い方でも、事故や外傷により命の危険が 迫ることもあります。当院は、「生まれるいのち 助 けるいのち よっかいち」を掲げ、生命のいかなる危 機的な状況に対しても対応できる体制と知識及び経験 のあるスタッフが 24 時間 365 日皆さんを守っていき ます。 今後とも、最高の安心、安全な医療を四日市地域の 市民の皆さんに提供できる病院であり続けられるよう 努力していきますので、我々の活動に対してご理解と ご協力をたまわれたらと考えています。今後とも、市 立四日市病院をよろしくお願いいたします。