
歯科口腔外科部長 石井 興
口腔がんとは口の中にできる悪性腫瘍のことで、全悪性腫瘍の中で約2%と稀な疾患です。口腔内の出来た部位によって舌がん、口唇がん、口底がん、歯肉がん、頬粘膜がん、口蓋がんなどに分けられます。これらのうち、舌がんが最も発生頻度が多く口腔がんの約40%を占めます。男性が女性の約2倍といわれております。
喫煙と飲酒ががんの発症のリスクを高めるといわれており、治療していないむし歯やあっていない義歯などによる慢性刺激も原因として疑われています。口腔潜在的悪性疾患(白板症、紅板症、慢性カンジダ症など)といわれる病変からがんになるものもあります。 初期のものは無症状な事が多く、進行して痛み、出血等で自覚される事が多いです。見た目は白斑型、肉芽型、腫瘤型、びらん型、潰瘍型など多岐にわたります。
一般的には手術療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法の3つの方法を、単独あるいは組み合わせて治療します。がんの切除範囲が大きい場合には他部位からの組織を移植する再建術も行ないます。 当院の過去10年のデータでは、5年生存率は病期により異なり(I期:89.3%、II期:77.0%、III期:58.4%、IV期:58.2%)、初期のものの方が治癒率は高くなりますので、恐れずにできるだけ早期に医療機関を受診することが大切です。異常を発見するため、かかりつけ歯科医院をつくって定期的に受診することをお勧めしております。