
皮膚・排泄ケアの専門性はストーマ(人工肛門や人工膀胱など)ケアを基盤として始まり、次第に褥瘡などの創傷ケアや失禁ケアへ拡大していきました。スキンケアは、皮膚・排泄ケア領域全てに共通する基盤となり、健康を害した皮膚ならびに皮膚障害のリスクの高い患者さんに対し、健康を取り戻すことを目的としています。また、排泄は人間の基本的ニーズであります。尊厳を保ち、生きる意欲や人間らしさを取り戻すため、これらのケアに専門的な援助をすることを目的としています。 『W』『O』『C』の3領域の中心が『スキンケア』です。
1997年WOC認定看護師「Wound(創傷)、Ostomy(ストーマ)、Continence(失禁)」として誕生し、2007年7月より一般の皆様がわかりやすい名称へ変更して、皮膚・排泄ケア認定看護師となりました。
ストーマ外来や院内外の看護師、医師からのコンサルテーションに日々対応しています。院内での相談は、主に褥瘡やIAD(失禁関連皮膚障害)、スキンテア(皮膚裂傷)発症に対するケア、ストーマ造設後の難渋事例や術後SSI(手術部位感染)に関連した創傷管理などに関する相談などが多いです。 院内活動として、褥瘡やスキンテアに関して火曜日(第2・4週目)褥瘡対策チーム回診を行っています。多職種で対象患者のラウンドを通してケアの指導を実施しています。また、難渋するストーマ患者や創傷管理に関しては、病棟看護師や医師と時間調整し対応しています。 外来では、週2回のストーマ外来での対応や創傷管理(主に癌による自壊創)に対する医師からのコンサルテーションの対応をしています。また、ストーマ外来の患者を通じて地域の訪問看護師の方々からの相談も多く、継続したストーマケアができるよう日々連携を取っています。 月1回開催のスキンケア委員・褥瘡対策委員会の企画と運営を行い、看護師への教育として、医師や栄養士・薬剤師と協力し、学習会を定期開催しています。また、褥瘡発生・スキンテア発生の件数や発生率を集計し、褥瘡対策委員メンバーなどと共有し共に褥瘡予防ケアに取り組んでいます。
当院でのストーマ造設件数は、尿路・消化管含め年間約70件前後です。そのすべてのオストメイト(ストーマ保有者)の生活の質の向上のため、専門的な知識と技術をもって相談にのり、オストメイトを支援していくことを目的とし、ストーマケアや退院後の日常生活上の指導を行う外来です。 毎週火曜日と金曜日一人あたり30分枠の予約制で専門看護外来という場所で、ストーマケアを通して指導しています。また、緊急な困りごとや有症状に対して予約枠外で対応しています。 基本的には当院でストーマを造設された方の対応となりますが、他施設で造設された方で受診を希望の方は、情報提供書を持参し、外科受診して頂ければ対応可能となりますので、是非ご活用ください。オストメイトの皆様が、安心した生活を送っていただきたいと思っています。
スキンケアや排泄ケアは、日常生活していく中、あたり前に行われることです。それらのケアは、看護の最も基本的な部分であり、繊細な部分でもあると考えます。専門的なケアによって、地域の皆様によりよい生活を過ごしていただけることを常に願い、患者やその家族の方々に関わるすべての医療者が、連携しながら関わって行きたいと思っています。更に、今後超高齢化社会を迎えるにあたり、北勢地区の中核病院として、切れ目のない安心・安全な医療や看護が提供できるよう努めていきます。