
薬局
すべてのお薬には、病気を治したり軽くしたりする働きの「主作用」と本来の目的以外の意図しない働きの「副作用」があります。今回は、この「副作用」についてお話しします。
この2つはよく混同されますが、お薬を服用した後に起きた好ましくないすべての反応を「有害事象」といい、お薬と因果関係がある有害事象を「副作用」といいます。因みに、コロナワクチン接種後のアレルギーを「副反応」と報道されているのを耳にしますが、ワクチンの副作用のことを「副反応」と定義されており広義では同じ意味となります。
「副作用」の原因は、下記の3つに大きく分かれると言われています。
①薬の主作用が強く出過ぎる場合
報告の多くはこれにあたるとされます。患者さんにあった用法用量でお薬が処方されますが、お薬の作用はひとつではないため思わぬ有害事象がみられる場合や病状の変化に応じて必要量も変化するために発症する場合などがあります。鎮痛薬の胃腸障害、降圧薬の心機能障害、睡眠薬のめまい、免疫抑制剤の感染などが該当します。
②体質が影響する場合
お薬に対する特異体質が原因で発症する副作用のことをいいます。お薬の効果がでにくい「不耐症」や体が有害な物質と認識して過剰な反応を起こす「過敏症(アレルギ-)」などがあげられます。これらは、処方されたお薬の量に関係なく、患者が持つ体質と関係しますので発症予測は難しく、既往歴の情報共有で再発を防ぐことに重点がおかれます。起きる頻度が高い薬剤としては抗生物質や抗体製剤などがありますが、どの薬剤でも起こりえます。
③薬の飲み合わせが影響する場合
お薬の飲み合わせの中にはお互いの作用を強め合うものや弱め合うものがあり、飲み合わせが悪いために発症する副作用があります。最近は複数の医療機関を受診する患者さんが増える傾向にあり注意が必要です。中には一緒に服用してはいけない飲み合わせ(併用禁忌)が規定されているお薬もあります。薬剤師はこの併用禁忌の確認を行っています。その際、「お薬手帳」があると情報収集がし易くなるので、日頃から携帯して頂くことは非常に重要です。
副作用の中には未知のものもあり、安全性の確保のためにも既に報告されているリスク因子などを把握しておくことや服用開始したあとの観察は、非常に重要です。しかし、発症した症状が副作用かどうかをすぐに鑑別することは容易ではありません。そのため対象となったお薬の投与期間や時間的関係性の評価、疾患との関連性、医薬品以外の原因検索など様々な因果関係を検証する必要があります。
当院では、保険承認されたすべての薬剤の副作用情報がカルテから検索できるシステムを構築かつ随時更新しています。また、厚生労働省などから発信される副作用の最新情報を周知し、院内で発生した重篤もしくは特異的な副作用の情報は医療従事者にて共有しています。過去には、薬剤性の重篤な皮膚障害(スティ-ブンスジョンソン症候群)や経口避妊薬によるとされる血栓症、全身麻酔下の筋弛緩剤使用による呼吸抑制などが報告されました。最後に、安心して薬物治療を受けて頂くためにも、副作用の早期発見が重要です。ご不明な点がありましたら、いつでもお気軽に医師や薬剤師に御相談ください。