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令和3年度から 強度変調放射線治療(IMRT)を開始しました

放射線科 副部長 佐貫 直子

放射線を利用してがんを治療する放射線療法は、手術、抗がん剤と並ぶがん治療の三本柱として重要な役割を担っています。切らずに治療を行う放射線治療は、臓器を温存することが可能であり、患者さんの負担が少ないという利点があります。また、治すことを目的とした治療から、症状を和らげるための治療まで、幅広い役割があります。本稿では、当院の放射線治療についてご紹介いたします。

2017年4月より放射線治療センターに導入された放射線治療装置TrueBeam STx(米バリアン社製)は、ミリ単位での正確な位置合わせが可能です。放射線治療装置には様々なものがありますが、当院の装置は脳や皮膚、体幹部のあらゆる臓器まで、守備範囲が広いことが特徴です。

治療用のX線は、画像診断用X線よりもけた違いに強い出力エネルギーを有します。増殖が止まらなくなったがん病巣に強い放射線を照射することにより、がん細胞の分裂能力を阻害します。このため、患部にできるだけ線量を集中させ、周囲の正常臓器に不必要に照射されることが少なくなるように治療計画を立てる必要があります。その最たるものが、このたび開始した強度変調放射線治療(Intensity-Modulated Radiation Therapy、 IMRT)技術で、専用コンピューターによる線量計算で体内の線量を最適化します。また、当院の装置は従来よりも迅速かつ正確に照射位置を定めることができます。これらの技術により、安全に病巣への線量を増やすことができ、高い効果が期待できます。IMRTを用いる疾患の主なものは、前立腺がん、頭頸部がん、一部の婦人科がんなどです。また、IMRT技術を用いつつ、小さな病巣に狙いを定めさらに高線量を照射するいわゆるピンポイント照射と呼ばれる治療法が体幹部定位放射線治療です。早期肺がん、限局性肝細胞がん、転移性肺・肝腫瘍、脳腫瘍などが対象となり、手術に匹敵する効果が期待できます。当院は、北勢地区で唯一、IMRTや体幹部定位放射線治療が可能な施設です。

近年の放射線治療技術は急速に高度なものに進歩しています。しかし、どんなに治療機器が高度になっても、人が制御することには変わりありません。当院では、各専門資格を有するスタッフが在籍し、機器の特性を熟知してしっかりと整備しながら最善の治療ができるよう取り組んでおります。

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