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集中ケア認定看護師の活動について

集中ケア認定看護師 太田 陽子

集中ケア認定看護師

集中ケア認定看護師とは、主に重症患者さんのケアに特化した看護師のことをいいます。私は2015年にこの資格を取得し、現在集中治療室(ICU)で勤務しています。

当院のICUは昨年3月に新たに増床し、現在10床で稼働しており、集中治療を必要とする重症な患者さんや、大きな手術を受けた患者さんなどが入室しています。患者さんは呼吸・循環が不安定であり、身体的・精神的にも苦しい状況にあります。私の役割は、このような患者さんに対し、病態の変化を予測しながら重篤化を予防し、早期回復に向けた専門性の高い看護を提供することです。また、患者さんのみならず、その家族に対しても、適切な精神的支援が行えるよう調整しています。

活動の実際

皆さんは、ICUに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか? TVドラマなどで目にするように、様々な医療機器に囲まれた患者さんが、ベッドから動けず常に寝たままの状態で過ごしている・・・と思っている方が多いかも知れません。ひと昔前は「手術の後だから安静にしていないといけない」「動いてはいけない」という関わりが主流でした。しかし、近年では、ICU在室中あるいは一般病棟への退室後、さらには退院後に生じる身体機能・認知機能・精神機能の障害がクローズアップされるようになり、ICUで一命はとりとめたものの、著しい筋力低下や精神障害が残り、日常生活になかなか戻れない患者さんが多いことが注目されるようになってきました。これらは患者さんの生活の質を著しく低下させてしまい、自然経過では完治が困難のため問題とされています。

この状況を減少させるためには、危険因子の予防、最小化を図ることがとても重要であり、人工呼吸器がついている患者さんであれば、1日でも早く外せるよう調整し、早期リハビリ介入、痛みなどの苦痛のコントロールを行っているのが現状です。

ICUでは毎朝、集中治療医、主治医、看護師、薬剤師、臨床工学技士、理学療法士などと多職種カンファレンスを開催し、ケアの評価やくすりの調整、早期離床に向けたリハビリ計画などを検討し、協働しています。そして、患者さんの状態にもよりますが、早ければICU入室翌日からリハビリが開始となり、人工呼吸器をつけたまま座位をとったり、立位をとったりもします。また、ICUは治療を中心とするには適していますが、患者さんにとっては異空間であり、過ごしにくい環境にあります。その中で、常に患者さんの状態を観察し、私たちにできるケアは何か、してはいけないケアはないかを考え、患者さんが回復と共に少しでも通常の生活に戻れるよう、環境を整えサポートしていくことが私の大きな役目です。

RST活動

私の主な活動のひとつとして、呼吸ケアチーム(RST)のコアメンバーの一員としての活動があります。RSTは、専門知識を有する医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士を中心とした多職種チームです。当院では、週に1回院内ラウンドを実施しており、主に人工呼吸器を装着している患者さんを対象に、人工呼吸器の安全管理や人工呼吸器早期離脱に向けた助言、呼吸ケアに対するトラブル解決などのサポートを各方面から行っています。また、定例会を開催し、各病棟の担当者に対し、呼吸ケアに関する勉強会を行い、院内全体の呼吸ケアの質の向上を図っています。

最後に

重症な状態でICUに入室した患者さんが、車椅子に乗って笑顔で一般病棟へ退室していく姿を見るたびに、私は達成感や充実感で胸がいっぱいになり、とてもやりがいを感じています。重症患者さんは、救急外来やICUだけでなく、一般病棟にもいます。中にはICUへの入退室を繰り返す患者さんもいます。今後はそのようなICU退室後の患者さんに対しても、重症化や合併症を回避し、回復を促せるように活動の幅を広げていきたいです。そして、患者さんのケアにあたるスタッフが、不安なくケアを提供できるような環境作りを行い、サポートしていければと思っています。

認定看護師としてICUと一般病棟の架け橋となり、ICU入室時から「先を見据えた」看護が提供できるよう、そして患者さんや家族にとってベストなケアが行えるよう、今後も日々自己研鑽しながら取り組んでいきたいと思います。

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