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手術看護認定看護師 小森 雄介

手術看護認定看護師は、手術治療を選択した患者さんが手術を経て退院するまでの一連の経過の中で、手術を中心とした患者さんとその家族に専門性を意識した熟練した看護技術を提供します。また、手術室看護師に看護技術を教育する役割もあります。

*手術室の紹介

当院の手術室は12室あり、24時間体制で緊急手術にも対応しています。昨年度、外科・整形外科・脳外科・胸部外科など約13診療科の手術件数は7138件ありました。

*手術看護の実際

手術準備

患者さんの体型や術式に応じて器械や器材を準備します。器械の動作確認やネジの緩みや破損の有無を確認し、器械とガーゼの数を正確に数えます。手術前後の患者さんの心身の状況を把握するため病室へ伺います。  

手術器械・材料の管理

手術野から目を離さず急激な出血や術式変更に対応します。手術チーム全体とコミュニケーションをとりながら手術進行の先を予測して器械・器材を迅速かつ正確に提供します。常に器械台を整理し、迅速に器械が出せるようにしています。摘出された臓器や組織を厳重に取り扱います。手術野の無菌状態の維持やガーゼや針、器械の体内遺残を防止するために手術創を縫合する前後に必ず数量と形状の確認を行っています。

麻酔診療の介助

安全に麻酔管理ができるよう麻酔法、麻酔薬による身体への影響を十分に理解し、麻酔科医師の介助を行います。

感染管理

空調の清浄度管理、清潔・不潔区域の選別、器械・器材の洗浄・消毒・滅菌器材の管理を行います。手術を受ける患者さんへの感染管理のみならず、看護師自身が血液や体液からの暴露を予防するため、メスや針に十分注意し、個人防護具を用いて職業感染を防止しています。

体位固定

手術操作に必要な手術野を確保するため、術式に応じた様々な体位をとる必要があります。手術が安全にできる体位を整え、クッションなどを利用して患者さんに無理のない安楽な体位をとる工夫をしています。

体温管理

手術を受けると麻酔による体温調節中枢の抑制、室温や内視鏡で使用するガスや灌流液の影響で、容易に体温が低下します。体温の低下を防ぐため、温水が還流するマットを使用したり、体温を継続的に測定することで手術中を通して体温管理を行います。

安全対策

手術中の患者さんは麻酔や手術による侵襲が伴うため身体的・精神的に危機的状況に陥ります。医療事故は生命に直結するため、患者さんの安全が最大限保障されるよう様々な対策を実施し、医療安全に取り組んでいます。

*最後に

入院日数の短縮や超高齢化など、医療を取り巻く環境は著しい変化を遂げ、医療の発展とともに近年の手術医療は急速に発展し高度化しています。特にロボット支援手術(図1)、ハイブリッド手術、移植手術などの最先端手術はめざましい進歩を遂げ、手術適応の拡大や様々な合併症を有する患者さんの手術も可能になっています。手術医療の多様化・細分化に伴った専門性の高い看護が要求される手術室看護師は、手術という生命の危機的状況にある患者さんに対して、より専門性の高い技術と知識を用いて看護を実践しなければなりません。患者さんに最も近い存在として、安心して手術が受けられるよう不安や恐怖を和らげる関わりとともに、手術侵襲が最小となるよう心身の負担を軽減する必要があります。手術医療が安全に実施できる環境作りと自身の看護能力の向上、他のスタッフへ模範となるよう日々取り組んでいきます。

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