
みなさんは毎日継続して飲んでいるお薬はありますか ? もしも手術や検査が必要となったとき、休薬(一時的に服用を中止すること)が必要となるお薬があることをご存知でしょうか。 当院では 2024 年7月に入退院支援センターが開設され、手術・検査を受ける予定の患者さんへ入院前面談を行っています。 薬剤師は普段飲んでいるお薬やサプリメント、健康食品、お薬のアレルギーなどを確認させて頂きます。手術や検査の延期を避け、より安全な医療が提供できるよう心がけています。 そこで今回は手術や検査前に休薬が必要となるお薬についてご説明します。
主なものは抗血小板薬・抗凝固薬と呼ばれ、血液をサラサラにして狭心症や心房細動、脳梗塞などの治療や予防のために使われています。脂質異常症のお薬の一部にも同様の作用があります。そのため手術時や手術後の出血を増やしてしまう可能性があるので入院前に休薬が必要になる場合があります。ただ急に休薬をすることで血液が固まりやすくなる方もみえるため、患者さんによって指示は異なります。医師の指示に従って下さい。
婦人科疾患の治療薬や経口避妊薬、一部の骨粗しょう症薬では、女性ホルモンの働きにより血液を固まりやすくする作用があります。手術中や手術後は安静にしているため足の血の流れがゆっくりとなり、血栓症を引き起こすことがあるので休薬をすることがあります。
手術による体調の変化や絶食の影響による低血糖や意識障害がおこることがあります。 これらを予防するために、手術や検査の前後では休薬をすることがあります。
サプリメントにも血液をサラサラにする成分を含んでいるものが多く販売されています(EPA/ DHA、ニンニク、イチョウなど)。 また麻酔薬の作用に影響を与える成分を含んでいる製品もあります (セントジョーンズワートなど)。 このような理由から、サプリメント・健康食品は手術・検査前には原則すべて中止としています。
今回紹介したお薬以外にも休薬が必要なお薬はあります(血圧の薬や免疫関連のお薬など)。 休薬するお薬やその期間は、手術や検査を行うにあたり患者さんの体の負担や出血の程度、お薬の継続・休薬をすることのリスクなど総合的に考え決めています。お薬が正しく休薬できていないと手術や検査ができなくなる場合があります。ご自身の判断で休薬せず、必ず医師の指示に従ってください。もし手術・検査が決まった後で新しいお薬が始まった場合、もしくは言い忘れたお薬があった場合はすぐにお申し出ください。 また、休薬が必要なお薬が一包化されている場合など、ご自身で休薬を行うことが難しい場合は、かかりつけの調剤薬局の薬剤師とも連携を図り、適切に休薬が行えるよう服薬支援の取り組みもおこなっています。患者さんからの情報提供はとても大切です。安全な手術・検査の実施のためにご理解とご協力をお願いします。