2018年末時点における手術支援ロボットは、日本国内約350台、全世界では約4,800台の導入実績があり日々稼働しています。保険適用は泌尿器科領域に限定されていましたが、2018年4月からは婦人科、呼吸器外科、消化器外科領域にも保険適用範囲が拡大し、新たな術式が追加されました。当院では2019年5月に導入いたしました。
外科手術では、主に「開腹手術」が行われてきました。開腹手術では傷跡が大きく残り、傷が回復するまでに時間を要します。そこで、傷跡を最小限に抑え術後回復時間を短くするなどの目的で「腹腔鏡手術」が普及しました。お腹に複数の小さな穴を開け、内視鏡(カメラ)や電気メス、鉗子などを挿入し施術を行います。腹腔鏡手術は、内視鏡から見える限られた視野の中で施術をするため難易度が高い手術となります。
そこで新たに開発されたのが「手術支援ロボット」です。従来の内視鏡装置に比べ、術野は最大約15倍の拡大視野が得られ、3Dにて立体視を構築できるカメラシステム、手ぶれ防止機能、人の手の可動域を超えたロボットアームが搭載されました。それによって、患者さんにとって小さな傷跡、術後疼痛軽減、出血量軽減、機能温存、合併症リスク軽減などが見込まれ早期回復が期待されております。
当院に導入された手術支援ロボット(da Vinci Xi)はGENERATION4と呼ばれる4世代目となる最新機種であり、従来の機種と比べて広範な術野へのアクセスを可能にした機種となります。これにより多くの診療科での使用が可能となっております。
医師・看護師などの医療スタッフが講習等を通じた技術向上に加え、臨床工学技士による術前・術後点検を行い、多くの患者さんに安全な手術を提供していきたいと考えております。