市立四日市病院では心房細動の新しいカテーテル治療である
”パルスフィールドアブレーション”を早期導入しました。
特殊な電気ショックを利用して、心房細動治療である肺静脈隔離術をします。
より安全で短時間の治療を提供します。
パルスフィールドアブレーションのイメージ図(肺動脈隔離)
Q. パルスフィールドアブレーションって何ですか?
A. パルスフィールドアブレーション(以下、PFA)とは心房細動という不整脈に対するカテーテル治療です。
心房細動については、ドクターインタビュー「心房細動について」をご参照ください。
従来は心臓の筋肉を”熱する”または”冷やす(熱を奪う)”ことによって不整脈を治療していました。
従来の熱エネルギーによる治療とは異なり、PFAは非熱エネルギーを使用します。
心臓内(肺静脈内)を特殊な電気ショックによって治療します。
海外ではすでに治療が始まっており多くの実績が蓄積されており、
心房細動においての主流な治療方法になっています。
2024年から日本でも使用可能となり、当院でもPFAを早期から導入となりました。
Q. パルスフィールドアブレーションにはどのようなメリット、デメリットがあるのですか?
A. パルスフィールドアブレーション(PFA)のメリットはいくつかあります。
まずは安全性の高さです。従来の治療においても安全性は高かったのですが、
PFAの特徴に”組織選択性”が挙げられます。PFAの非熱エネルギーは心臓の筋肉に
特異的にエネルギーが与えられ、心臓周辺に存在する心臓外組織(食道や神経など)には
ほぼ影響がありません。これにより心臓外への合併症が軽減されることが知られています。
また、治療(肺静脈隔離)そのものに対する時間は5-10分程度と極めて短時間です。
デメリットとしては、比較的早期発症の心房細動に対しての適応のみであり、
1年以上持続した長期持続性心房細動に関しては、まだ保険適応がありません。
PFAを施行する観点からも、早めの治療をお勧めします。