鼠径ヘルニア手術の方法にロボット支援手術が加わりました

外科 寺本 仁

鼠径(そけい)ヘルニアという病気をご存知ですか? 足の付け根付近のお腹が膨らんだり凹んだりする病態です。お腹の壁(腹壁)が弱くなり、内部の腸管や脂肪組織が出たり戻ったりしている状態を指します。自然に出入りしている間は急を要しませんが、ある日突然、強い痛みとともに戻らなくなることがあります。これを「嵌頓(かんとん)」と呼びます。鼠径ヘルニア治療の最大の目的は、この嵌頓を防ぐことにあります。治療では、弱くなったお腹の壁を医療用メッシュで修復・補強します。メッシュの留置方法には、以下の2 種類があります。

  • 前方アプローチ:下半身麻酔をかけ、膨らんでいる部分を直接切開してメッシュを留置する方法
  • 腹腔鏡(内側からの)アプローチ:全身麻酔をかけ、お腹の内側からメッシュを留置する方法

令和8年6月より、お腹の内側からメッシュを留置する手技において、手術支援ロボットを使用する手術が保険適用となりました。ロボット支援鼠径ヘルニア手術は、多関節機能を持つロボットを使用することで、従来の腹腔鏡手術と同等の精度をより短時間で実現可能となりました。当院では、全身麻酔が可能な患者さんに対して、このロボット手術の適応を広げていく予定です。なお、全身麻酔のリスクが高い方やご不安な方には、下半身麻酔で行う前方アプローチの手術にも今まで通り対応しております。(上図:左鼠径ヘルニア/左下図:鼠径ヘルニア手術に用いるメッシュ/右下図:手術支援ロボット)

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